自分より賢い子を育てる方法
こんにちは、食たまです。
最近「人間ってナンだ?超AI入門」(Eテレ 毎週水曜 午後10時50分)を見ています。
現在は、シーズン3が放送中ですが、シーズン2で面白い話をしていたので、ご紹介したいと思います。
「学習ネットワークの蒸留」という考え方
この考え方が紹介されていたのは、シーズン2の第11回、「老いる」の回でした。
例えば読み込んだ写真がネコかネコじゃないかを判断できるネットワークAがあったとします。
ネットワークAを作るためには、たくさんのネコかネコじゃないかわかっている写真をたくさん見せて学習させて作ります。
ネットワークAは、どんな画像はネコでどんな画像はネコじゃないかを知っているので、
ネットワークAがネコパターンとネコじゃないパターンをネットワークBに教えることができるそうです。
ネットワークAが教師(teacher)、ネットワークBは生徒(student)と呼ばれます。
すると、ネットワークBはネットワークAよりも小さなネットワーク(少ないニューロン)で、同じことができるようになるのだそうです。
ネットワークAが5層のネットワークなら、ネットワークBは4層でネコの判断ができるという具合です。
ということは、同じネットワークの大きさを持っていれば、もっと複雑な判断ができるようになるということです。
なぜならまだネットワークが余ってますから。
ペルシャネコなのかマンチカンなのかまでわかるかもしれません。
人間の技術進歩も蒸留
番組内でも解剖学者の養老孟司さんがおっしゃっていましたが、
この蒸留の概念は、人間の進歩と同じです。
昔の人が発明したもの、考えた概念を、現代の人は常識として親や先生から教わっています。
教わるまでしないような、日常の中に入り込んでしまっている概念さえ、昔の人からしたら大発見、大発明だったものも少なくありません。
例えば数字のゼロのような。
膨大な祖先の知恵を、当たり前のようにベース知識にすることで、人の文化はどんどん進歩してきました。
これは、まさに、さっきの蒸留の概念です。
教師から学べば、より小さい脳で祖先の知恵を理解することができるので、脳の容量が同じなら、祖先よりももっと複雑なことを考え理解することができるのです。
とっても単純 自分より賢い子を育てる方法
上の「蒸留」の考え方が正しいとすれば、自分より賢い子を育てる方法はいたって単純です。
自分の知っていることを全て教える
です。
自分で考えさせた方が本人のためじゃないかとか、
自分で見つける力をつけさせるためにとか、
色々考えて、
「自分でやってこごらん」
とか
「なんでだと思う?」
なんて言いたくなってしまいます。
私もそう思っていました。
友人から頂いた大量のプラレール、2歳になるかならないかだった息子は、電車の手押し遊びばかりして、線路は持て余していましたが、
「そのうち自分で面白さに気付くだろう」とか思って、取り立てて遊び方を教えたりしていませんでした。
でも、違うのです。
私の持つ知識を惜しみなく教えるべきです。
そうすることで、例えばプラレールなら、きっと私が思いつかないようなもっと複雑なレイアウトや、美しいレイアウトを創造することができるこになる可能性があるのです。
しかし、これにはいくつか条件があると思います。
1つは、息子が私の知識を理解できること、
もう1つは、理解した後、息子が自ら考えること、
です。
1つ目は、やはり教えるタイミングを見誤らないことが大切だと思います。
理解できるまで成長したとき教える。
そして2つ目は、息子の素質なのかも知れませんが、知識のもっと先の話をするというか、想像力を掻き立てるような会話をしていけばいいのかなと思います。
何も、私が知っていることを考えて導かせる必要はないのです。
私も知らないことを一緒に考えるスタイル。
こうすれば、知識を伝えることもできるし、考える力を身に着けさせることもできるのではないでしょうか。
おわりに
Eテレの「人間ってナンだ?超AI入門」を見ていて、機械学習の蒸留という概念を知りました。
ある判断ができるネットワークが教師となり、新しいネットワークにその判断の仕方を教えると、新しいネットワークは、より小さなネットワークで同じ判断ができるようになるという事実です。
これを子どもの育児に置き換えると、
「自分の知っていることを全て教える」
ことで、子どもは自分よりも賢い子に育つはずです。
考える力は、知識があってもなくても身につけられるはずです。
人は、好き嫌いもあるし、そんなに単純じゃないかも知れませんが、
私の知っていることは全部教えて、その先を一緒に考えるスタンスでいってみようかなと思います。
私よりずっと賢い子になりますように。
余談 乗り物の歴史がわかる絵本の紹介
完全に余談ですが、ちょうど技術進歩の話が出たので、ご紹介です。
ずらーーーーっと長く年表を広げる作りになっていて、息子は大興奮です。
蒸気機関が発明されてから現代までの乗り物の歴史がイラストで描かれています。
「蒸気機関より自転車の方が新しいんだー。」 とか、私が見ても面白いです。
機会があったら、ぜひ読んでみてください。