「かあちゃん、めがね。」
こんにちは、食たまです。
ある晩のことでした。
草木も眠る丑三つ時、私の隣で寝ているはずの息子が突然声を上げました。
「かあちゃん、めがね。」
はぁ?
見ると、悪い夢を見たのか半べそかきながらこちらに手を伸ばして助けを求めています。
完全に寝ぼけています。
さっきのは寝言だったのか。。。
そう思って、再度息子を寝かそうとお腹をトントン。
「起きちゃったの?まだ夜中だからね。もうちょっと寝ようね。」
と声をかけます。
「かあちゃん、めがね。」
まだ言うか。
「そうだね、かあちゃんいつもメガネ掛けてるよね。寝ようね。」
「かあちゃん、めがね!!」
えーっ!怒ってる!どういうこと!?
と思っていると、息子は枕元にあるメガネを鷲掴みにし私に突き出しました。
ま、まさか掛けろと!?
掛けてみると、急に笑顔になって、一瞬で寝てしまいました。
何だったんだ!?
このときの私は知るよしもありません。これが悪夢の序章だったとは。
そう、その翌日からです。
息子を寝かしつけるときにメガネが必須になったのは。
メガネが無いと怒り出し、掛けるまで決して寝てくれません。
そして、メガネを掛けて寝かしつけしていると、
ガン!
「いーたーいー!!」
寝ぼけて起き上がってふらふらしていた息子の頭突きです。
大声で泣いたおかげで、横で寝ていた娘も起きてギャン泣き。
また寝かしつけのやり直し。
私も危うく目を怪我するところでした。泣きたいのはこっちの方です。
「痛かったね。危ないから、メガネは外そうね。」
と言ってメガネを外すと、やっぱり
「かあちゃん、めがね。」
と更に泣き出します。
この状況でもまだ駄目か。。。
こうして悪戦苦闘を繰り広げることおよそ1時間、息子がちゃんと眠ったことを確認し、やっとメガネを外し、私も寝ることができるのです。
そんな日がもう何日続いたでしょう。
早く終わってくれ、「かあちゃん、めがね。」ブーム!